国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「認知症は怖くない」(2015/7/23)

「認知症は怖くない」(2015/7/23)
石澤 敦会員



 2025年には、認知症患者は700万人、予備軍も含めると1000万人にも達すると見込まれ、『65歳以上の5人に1人が認知症』という異常事態に突入と言われている。このような時代を迎える我々高齢者は、この事態にどのように対処すればよいのだろうか。
 まず、必要な事は、予防できる認知症を攻略することである。認知症の約20%を占める脳血管性認知症は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症を基盤とした脳動脈硬化に起因して発症する脳梗塞や脳出血が原因であることを考慮すれば、これら生活習慣病を徹底的かつ厳格に管理し動脈硬化を抑制することで予防可能である。 
一方、アルツハイマー型認知症に代表される神経細胞変性、脱落に起因する認知症に関しては、現状では、それを治癒に導く有効な手立てはない。アルツハイマー型認知症の発病、即ち“病気の芽”は、もの忘れ症状発現のおよそ20年前に遡ると言われている。神経細胞の進行性破壊・脱落に伴って、発症前状態、軽度認知障害の時期を経て、70縲怩W0歳になり“もの忘れ”の症状が発現するに至る。この時期は既に本疾患の最終局面とも言える。 “発病の芽”を摘むべく、多くの研究がなされてはいるものの、本疾患を克服する治療手段は現在のところ未知数である。
 しかし、最近、“認知症と正常の狭間”とも言える『軽度認知障害(MCI)』の概念が広く受け入れられ、MCIと診断されたものの中から、1年で約15%、2年で約20%の人が真正のアルツハイマー型認知症に移行する可能性が高いという知見がある。もの忘れの自覚はあるものの、病的認知症とは言えないこの時期への介入の重要性が指摘されている。
 脳細胞は加齢とともに減少し続けると信じられてきたが、中高年になっても、脳を使えば使うほど、記憶の中枢である海馬においても、神経細胞が日々増殖し、深化と成長を遂げているらしいことが分かってきた。そして、そのためには、如何に、脳のマンネリ化を防ぐかということが最も重要な課題であると言われている。
 ホムンクルスの人形は、体の各器官の機能に関して、その機能と対応した大脳が占める割合を人型で表したものであるが、これをみると、舌、顎、手指に脳の機能が集中しているのが分かる。つまり、これらの大きく示された末梢器官を使えば使うほど、脳の機能が活性化されるという事実も明らかとなっている。

 すなわち、舌や顎に関する機能は、他人と良く会話し、議論し、美味しいものを良く噛んで味わうことに通じるであろうし、手指に関する機能は、箸を使い、筆記具を使って文章を書き、パソコンを操作し、麻雀、囲碁、将棋を楽しみ、楽器を奏でることなどが含まれよう。そして、これら行為の過程においては、運動機能のみならず、必ず“思考する”行為が含まれていることを忘れてはならない。
旅に出るための計画は、時間の観念を生みだすとともに、新たな土地で景観を望むことによって、視空間認知機能を楽しく、かつ激しく刺激することになるだろう。
 今日も、こうして例会に集まった我々ロータリアンは、それぞれの職業において組織を牽引する重要なポストにつき、一方ではボランティア活動にかかわり、例会においては、食を楽しみながら大いに語らい議論する。こうした活動こそが、各人の脳を知らず知らずのうちに刺激、賦活する原動力となるはずである。
まさに、ロータリー活動そのものが認知症予防の実践と言える。
自信を持って生きていこうではないか!


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