国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「思いつくまま鉄道雑学」(2018/2/8)

「思いつくまま鉄道雑学」(2018/2/8)
武田 亨会員

     

◆ドイツの古い諺に「ゆっくりと然も確実に」という言葉がある。私の座右の銘にもしているが好きな格言である。スピード化時代の現今には聊か時代遅れの感を持つが逆に必要な言葉と信ずる。 これと云った趣味を持たぬ私は鉄道だけは好きである。往時鉄道好きは変人扱いされた時代もあったが最近はマスメディアが盛にテレビ、新聞、雑誌等で喧伝してくれる為に一般人にも随分理解度が深まってきた。鉄道好きと云っても撮り鉄、乗り鉄、グルメ鉄ではなく単なるローカル線の乗り目(的)に過ぎないことを付言しておく。

◆鉄道好きになった理由を考察してみると次の4点になる。

 (1)両親が鹿児島県人で状況居住。所謂夏休み(盆)・冬休み(暮)には毎年九州鹿児島へ帰省していた事。

  (2)父が官吏職であったため各地への転勤が多かった事。

 (3)小学校高学年時代は神田錦町に居住しており万世橋の交通博物館が近くにあり週に2~3回は入りびたっていた。

 (4)中学の地理教師が殊のほか鉄道に造詣が深く当方もその感銘を強く受け興味を増した事。

◆太平洋戦争が始まる前迄の平和時の旅行は実に長閑だった。小学唱歌に出てくる「今は山中、今は浜」そのままの風景が飛び込んでくる。車体には一等車白、二等車青、三等車赤帯と夫々区別されていたが私は専ら赤帯のみであった。車窓より購入する駅弁当、茶、土産物が楽しみだった。トンネルを抜けると煤で真黒の事もあった。 随筆家で作家の内田百聞氏も「阿房列車」の中で次の如く筆している。「汽車がある。行先はあるが目的はない。汽車に乗込み食堂車に陣取り風景を眺め食事をして一献傾けるのが唯一の楽しみだ」と。

◆戦争が始まると雰囲気一変。世界一誇る運行ダイアも乱れ、空襲警報が発令されれば強制下車、行先変更、路線変更は当り前。誠に悲惨な思い死に物狂いであった。平時であれば鹿児島迄は2泊3日であったが戦時下では3泊又は4泊になった事もあった。

◆鉄道も進化して蒸気-電化-ディーゼル-新幹線-将来はリニア新幹線が予定されている。然しスピードアップのみに力を注ぐことは一考を要するのではなかろうか。

JR北海道が2面前に発表した所によると「道の路線全体の略半分10路線13区間について単線で維持することは困難と指摘。路線の存廃や経費の分担をめぐる沿線自治体等の協議を進めるべきであり国と道が議論を進めるべきである。」

◆赤字ローカル線の存廃についてのアンケート調査では解答が殆ど拮拡しており賛成が僅か2%のみでこれは今後の問題だ。

◆第三セクターの問題については現時点ではスムーズに施行されている。主要在来の1部(東北本線、鹿児島本線と、のと鉄道等)については官民協力しあってくる事は何よりも考察する。

◆表裏一体なる言葉がある。例えば野球ボールやテニスボールの如き球形のもの。正三角形面を4ケ立方体に組立てたプリズム。正四角形を6ケ使って立方体にすると所謂サイコロ状になる。これらはすべて表裏がなく一体である。それに反し表があれば裏もある。という言葉も聞く。主として表は良い意味。裏は悪いイメージを与える全く正反対の表現である。例えば、上昇→下降、進歩→退化、成功→失敗、安心→心配、安全→危険等がある。最後に示した安危は殊更鉄道にとっては最重要である。一寸した故障が大惨事を引き起こすことになる。昨年師走にも新幹線「おぞみ」に異臭・異音を生じて「重大インシデント」に認定されたのは記憶にも残っている。安全神話説は年世紀もすれば崩れることが判明した。いくらAIを使って作成したものでも、造られたものは必ず壊れることに注目すべきだ。まして将来リニア新幹線スピードアップのみ計画するのは考慮せねばならない。

◆エッセイストの酒井順子氏は在来線や船を使って京都迄旅を3日間かけて楽しんでいる。速さを捨てたことで「私の中の時間と空間の軸を溶かす作用があったようです」と女流阿房列車で書いている。現代ではぜいたく品となった「ゆっくり」を存分堪能したと。

◆鉄道を通じて社会を明るく改善する事は、医学を通じて疫病予防、治療する事と相通ずるものがある。

 

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