国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「児童養護施設18歳の巣立ち『もう独りぼっちじゃない』」(2017/11/2)

「児童養護施設18歳の巣立ち『もう独りぼっちじゃない』」
プラネットカナール 鈴木邦明さん・阿部華奈絵さん
(紹介 榎本会員)



「児童養護施設18歳の巣立ち『もう独りぼっちじゃない』」

児童養護施設出身20歳の「個人の物語」に焦点を当てて、施設巣立ちの現状や人とのつながりについて語ります。
父が部屋に近づいてくる…また殴られる…ケガが目立たない程度に…夜、家を裸足で飛び出し逃げているパジャマ姿の私に、誰も関心なく声もかけてくれない。大声を出しても…独りぼっち。中学三年の冬、父に携帯を投げつけられ目元を何針も縫うけがをした。登校したら、先生がすぐ児童相談所の人を呼び、里親で三か月保護され児童養護施設の生活が始まった。
施設では、自分を否定する人も、暴力を振るう人もいない、自分の時間を自由に使える。環境が、変わったことで自分自身にも多くの変化が現れ始めた。施設の職員が数学や英語を教えてくれた結果、勉強ができるようになった。生徒会長をやったり、インターハイ東京都実践委員長などに率先して手を挙げた。皆と、ひとつの目標に向かって走ることが、とても楽しかった。
望まない妊娠、借金生活、会社を辞めてしまう、自立援助ホームの規律が厳しく飛び出して行方不明など、グループホームの先輩たち5人で誰一人うまく巣立って自立しているひとがいなかった。私は必死で一人暮らしの計画と準備をした。プラネットカナールのような家電家具を贈ってくれるところもなかったし、保証人がいないので、保証会社に契約や更新のたびに1か月分余計に払ってアパートを借りるので経済的に大変だった。
映像編集会社に就職したが孤立していた。連続勤務時間が48時間でも残業代が出ないブラック企業、体調を崩し辞めた。アルバイトをしながら、人とつながり、いろいろ勉強できる場を求めてきた。夢中になり過ぎバランスを崩し、生活を立て直す必要に迫られたことも…
現在はまだ自立の途上だが、児童養護施設の事を多くの人に知ってもらおうと施設出身者であることを隠さず発信している。いろいろな人たちや団体とつながりができてきて、ひとりではなくなった。助けてくれる人もいる。もう独りぼっちじゃない。
施設出身者の相談場所や支援団体の情報をガイドブックにまとめて提供する活動をしている。現在、重度身障者介護の仕事をしている。

貧困問題や虐待をどうやったらなくせるか、考えている方も多くいらっしゃると思う。虐待などを見つける人の多くは福祉業界の人ではなく地域の人。まずは、身近な地域の子どもたちに目を向けてください。児童養護施設卒業のとき、家電や家具を寄贈したり、アパートを借りるのを助けてください。困っている人がいたら人と人を繋げる居場所があって、孤立せずに、お互い支えあう地域・社会になっていけばいいな、なんて考えている。
【阿部華奈絵さん】
児童養護施設出身20歳。虐待・児童養護施設での生活、長時間労働、貧困など自身の経験を通して感じたことについて発信中。施設や里親から巣立つときに役立つ相談先や支援団体、居場所などの情報を提供するガイドブック作成中。現在重度身障者訪問介護に従事。



「SUDACHI応援活動のご報告」

昨年は、SUDAHI応援活動をご支援いただき、12名の施設卒業生と卒業生用のシェアハウス、施設グループホームなどに、家電家具を贈呈できました。ありがとうございました。来年は20名を超える卒業生を応援する予定です。東京武蔵野中央ロータリークラブの皆さまとしっかりと応援したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【鈴木邦明さん】
1975年 日本IBM入社 世界初・最大プロジェクトやコンサル事業世界同時立上げ、2001年 ジブラルタ生命(執行役員)やアビーム コンサルティング(執行役員)を経て、2015年 NPO法人プラネットカナール 理事長

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