国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「働き方改革」について (2019/9/12)

「働き方改革」について (2019/9/12)
杉山清二郎会員

現在の労働制度と働き方には、労働参加、子育てや介護との両立、転職、再就職、副業、兼業等、様々な課題があり、加えて「正規」「非正規」による待遇の格差、又それに伴う「モチベーション」の問題等があり「生産性の向上」及び「労働参加率の向上」を阻害する要因となっておりました。「働き方改革」は大きな目標の一つである「労働生産性」を改善するには最良の手段であり、生産性向上の成果を働く人に分配することで、賃金の上昇、個人消費の拡大、企業の利益へと、成長と分配の好循環が構築されること。

 

◎働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法令の整備に関する法律) 平成30年6月29成立・同年7月6日公布

1)労働基準法 2)労働安全衛生法  3)労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法) 4)じん肺法  5)雇用対策法 6)労働契約法 7)短時間・有期雇用法(パートタイム労働法を有期雇用労働者にも適用し法名称を変更) 8)労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び労働者の保護等に関する法律)

以上8本の法律に関連法律28本が改正されております。

《規制強化》

(1)「時間外労働」の罰則付き上限規制(令和2年4月1日より)従来は過重な時間外労働等が発生しないようにする為厚生労働大臣が時間外限度時間(平成101228労働省告示154号)を定めておりました。

①同告示では時間外の限度(上限)

   一般的   1ヶ月45時間以内  1360時間以内

   協定期間  イ)1日 ロ)1日を超え3ヶ月以内 ハ)1年間

  ②特別条項(エスケープ条項)

   上記の上限規制①がありましたが特別条項規定として協定を結べば時間外は青天上でした。

(2)時間外労働の上限規制の法制化

最も大きく変わる点は告示ではなく法律で規定され、罰則が適用されることになります。

①時間外労働の限度時間(上限)を協定(36協定)で締結すべき期間

   イ)1日  ロ)1ヶ月  ハ)1年間  の3種類です

   ロ)・ハ)について時間外労働(休日労働を除く)の上限が法定化されました。

②前項(1)①は1ヶ月45時間、但し1年単位の変形労働時間制(対象期間3ヶ月超)は1ヶ月42時間

③前項(1)①は1年間360時間、但し1年単位の変形労働時間制(対象期間3ヶ月超)は1年間320時間36協定を締結する際には「事業場の業務量、時間外労働の動向、その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内(具体的な 事情の記載を求められる)」で上記の限度時間を定めなければならない。

(3)特別条項の限度(月45時間・年360時間)

上記の時間を超える可能性がある事業場では36協定に特別条項を付加することが出来る。

①1ヶ月に延長できる時間外労働(休日労働時間を含む)は最長で 100時間未満の範囲内とする。

②1年間に延長できる時間外労働(休日労働時間は含まない)は最長720時間を超えない範囲内となります。

③特別条項は、発動する月数は最大でも6ヶ月以内となります。

④2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月の、それぞれの時間外

労動(休日労働を含む)の平均時間外労働時間は80時間以内とする。

 

(4)時間外労働上限規制の適用除外

  ①工作物の建築等の事業(令和641適用)

   適用するが、但し災害時の復旧・復興事業には「100時間未満」 のみ適用し「2ヶ月~6ヶ月平均80時間」は適用しない。

  ②自動車の運転の業務(令和641適用)

年間960時間のみ適用

  ③医業に従事する医師(令和641適用)

   適用するが、医療業界も参加する検討の場において、規則の具体的な有り方、労働時間の短縮策等について検討し結論を得る。

  ④鹿児島県、沖縄県における砂糖製造業

   改正法の施行後5年間は特別条項に関する規定(1ヶ月の上限100 時間未満、2ヶ月~6ヶ月平均80時間以下)は適用しない。   令和641日は一般則が適用される。

⑤新たな技術、商品又は役務の研究開発にかかる業務   全て適用除外。

(5)時季指定年次有給休暇(令和元年41適用)

年以上10日以上の年次有給休暇を付与される従業員に対し、その内の5日について付与後1年以内に時季を指定し与えなければならない。

①使用者は従業員に対し年5日の年休について時季指定をしなければならない。

②時季指定に際し時季に関する意見を聴取しなければならない。

③時季指定に際し時季に関する意思を尊重しなければならない。

  ④使用者は年次有給休暇管理簿(付与時季、日数及び基準日を従業員ごとに明らかにしたもの)を作成し3年間保存しなければならない。

  ⑤「年休の計画的付与」で年休を取得した場合は時季指定年休(5日)より差し引くことができる。

  ⑥前年度からの繰越分の年休取得は時季指定の年休となります。

(6)中小企業の時間外労働の割増率の引上の猶予措置の廃止(令和541適用)

月60時間超えの時間外労働に対する割増率が25%から50%になります。

(中小企業)

*「資本金の額又は出資の総額」と「常時使用される労働者数」のどちらか一方満たせばよい

(7)勤務間インターバル制度の促進(労働時間等設定改善法)(令和元年4月1日施行 努力義務)

この法律において「労働時間の設定」とは労働時間、休日数、   年次有給休暇を与える時季、深夜業の回数、終業から始業までの時間その他の労働時間等に関する事項を定めることをいう。(下線部分が今回の追加改正)

    事業主が講ずべき措置

  事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図る為、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取りやすい緩急の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければ成らない。(下線部分が今回の追加改正)

②事業主は他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期間の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行はないこと、当該他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件をつけないこと等取引上必要な配慮をするに努めなければ成らない。(下線部分が今回の追加改正)

《規制緩和》

(8)高度プロフェッショナル制度の導入(令和元年41適用)

時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため時間外・休日協定の締結や深夜も含めた割増賃金の支払い等の義務を除外した新たな制度で、労働者の範囲を厳格に画定し長時間労働の防止措置を講じたうえで「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」を創設しました。

(対象業務)

  労使委員会の決議をし、労働基準監督署への届出が必要となります。

    金融商品の開発業務。

    アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)。

   ③コンサルタントの業務(事務・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)。

④研究開発業務

    (対象者の範囲)

    ①使用者との書面等による合意に基づき職務範囲が明確に定められていること。

    ②1年間に支払われる見込賃金が労基則で定める額以上であること。 現時点の年収基準 1,075万円以上

    ③対象者の「健康管理時間」を使用者は把握すること。

      イ)事業場内にいた時間

      ロ)事業場外にいた時間

    上記「健康管理時間」が一定時間を(週40時間を超える労働時間が1ヶ月100時間)を超えると医師との面談が必要等。

④年間休日は104日以上、且つ4週4日以上の休日の確保。

《その他》

(9)フレックスタイム制の見直し(令和元年41適用)

フレックスタイム制とは「始業及び終業時間を労働者の決定に

ゆだねる制度」で「コアタイム、フレキシブルタイム」に分けて

働く制度です。

①清算期間を1ヶ月から3ヶ月に延長され割増賃金の支払方法が整備された。

イ)導入に際し労使協定が必要。

   ロ)清算期間が1ヶ月以内なら労基署への届出は不要で1ヶ月超3ヶ月以内ならば労基署への届出が必要となります。

ハ)清算期間を平均し労働時間が週40時間以内であれば、1週40時間、1日8時間を超えて働かせる(割増不要)ことが       可能(但し清算期間が1ヶ月超3ヶ月以内のときは、1ヶ月ごとに区分した期間について1週平均50時間を超えない

ことが条件となります)

(10)同一労働同一賃金の促進

(中小企業 令和3年4・1適用)(大企業 令和2年4・1適用)

    不合理な待遇差を解消する為の整備

 短時間・有期労働者と正規労働者また派遣労働者と派遣先の

労働者との不合理な待遇の禁止に関し、均等・均衡ルールを

整備(パート労働法、労働契約法、派遣法の改正)

    労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

 短時間・有期労働者・派遣労働者について、待遇の内容・理由等に関する説明を義務化(パート労働法・派遣法の改正)

コメント

カレンダー

11 2019/12 01
S M T W T F S
1 2 3 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31