国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「企業における障がい者雇用の仕組みと課題」(2016/3/17))

「企業における障がい者雇用の仕組みと課題」(2016/3/17))
NTTクラルティ株式会社 代表取締役社長 半沢一也さん
(紹介 外所 守会員




日本の企業における障がい者雇用の状況は、近年、障がい者に関わる国際条約である「障害者権利条約」の締結や関係法令の整備等により、雇用促進に一層拍車がかかっている状況となっています。
また、少子高齢化が進むなかで、社会保障制度の持続性の維持が課題であり、労働力の確保と経済社会の活力維持のために、女性、高齢者、外国人の就労促進とともに、障がい者の就労促進に期待するという財政的な側面があること(社会保障費の受給者から納税者へ)、更に障がい者の自立支援の理念に則り、障がい者が活き活きと「働く」ことは、経済的な自立に繋がると同時に、特に障がい者自身の大きな生き甲斐となっていること、などにより企業におけるダイバーシティの展開や、ノーマライゼーションの普及にも繋がっています。
なお、企業において年々障がい者雇用が増えてきた具体的な背景には、①障害者雇用促進法で、事業主に対し、常時雇用する従業員の2%(法定雇用率)以上の障がい者を雇うことを義務付けていること、②障がい者雇用にかかる事業主間の経済的負担を調整するための仕組みとして、雇用率未達成企業から納付金を徴収し、雇用率達成企業に対して調整金等を支給する障害者雇用納付金制度があること、③一定の要件を満たせば、親会社・関係会社・子会社の全体を合算して実雇用率を算定できる「特例子会社」の仕組みが普及・拡大してきたこと、などがあげられます。
一方で、企業における障がい者雇用の主なメリットとしては、真摯に仕事に向き合う障がい者と共に働くことで従業員全体のモチベーションがアップし職場が活性化すること、また、障がい者の強みを生かした仕事の切り出しによって新たなビジネスモデルを創出したり、障がい者に対応した業務プロセスの見直しが職場全体の改善につながること、そして何より障がいがあっても企業にとっては貴重な戦力であることなどです。
そのようななか、企業における障がい者雇用の今後の課題は、2018年の精神障がい者の雇用義務化により法定雇用率の更なるアップが想定され、各企業では経営戦略・事業計画・人材育成計画に障がい者雇用を組み込むなど、より積極的な雇用拡大と定着さらにはキャリアアップなど活躍推進の取り組みが重要となります。
 また、これからの障がい者雇用においては、障害者権利条約および関係法令に対応し、各企業でも障害者差別禁止及び合理的配慮の提供義務等に配慮した取り組みが必須となってきます。
 そして、障がい者においても高齢者層が増加していく今後については、彼らが定年を迎えた時に、その後のフォローまで視野に入れていくことが企業の役割として重要になってくると思われます。                           

≪注釈≫
・障害者権利条約: あらゆる障がい者の尊厳と権利を保障するための国際人権法に基づく国際条約であり、日本国の批准は2014年1月で、世界で140番目である。
・精神障がい者の雇用義務化: これまでの雇用義務は、身体障がい者と知的障がい者となっていた。
・障害者差別禁止・合理的配慮: 障がい者であることを理由とした、採用、賃金、昇進等あらゆる差別を禁止すること・障がい者の権利確保のために必要で適当な調整等の配慮を行うこと(障害者雇用促進法)

◆NTTクラルティ公式サイト◆
http://www.ntt-claruty.co.jp

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

カレンダー

10 2018/11 12
S M T W T F S
1 3
4 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30