国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「事例(ケース)で考える職業奉仕縲恬マ理と職業奉仕」(2017/1/19)

「事例(ケース)で考える職業奉仕縲恬マ理と職業奉仕」(2017/1/19)
地区職業奉仕委員 吉田麻臣さん/東京小平RC
(紹介 小林 清会員・飯村雅洋会員)




1.あいさつ及び自己紹介
 今年度地区職業奉仕委員会委員を務めています東京小平RCの吉田です。武蔵野中央の皆様には小平RCが日頃から大変お世話になっています。まずもって御礼を申し上げます。私は、仕事は弁護士をしており、ロータリー歴16年。地区職業奉仕委員会には、当初2013-14年度に中村伸二委員長からお誘い頂いたのが始めで、その時の副委員長が中川さんで、その腐れ縁から2015-16年度から現在まで2年続けて地区職業奉仕委員をさせて頂いています。 さて、本来なら地区職業奉仕中川雅雄委員長に来て頂くべきところ、本日はロータリー「希望の風奨学金」の関係で鳥取へ出張中のため、委員長から私に行くようにとお話があった次第です。あくまで「猫の手」ということでご容赦下さい。

2.本年度職業奉仕委員会の活動及び本日の卓話の目的
 第2580地区職業奉仕委員会では、これまでは年数回、スクール形式での職業奉仕に関する講演を行うことが多かったと思います。本年度も、昨年8/4に第2700地区のPG廣畑富雄さんを迎えての講演会を行いましたが、これは地区クラブ奉仕委員会との合同企画でした。また本年度は地区研修会が何度も開催されています。そのため、職業奉仕委員会プロパーとしては、新たな試みとして、テーブルディスカッション形式で皆で議論を戦わせよう、ということになりました。それを、昨年10/28沖縄分区の職業奉仕委員長会議で行い、さらに11/24在京地区職業奉仕研究会を、「事例(ケース)で考える職業奉仕〜倫理と職業奉仕〜」と題して行いました。 特に在京の研究会では、参加者約70名が約8名から10名のグループに分かれ、午後2時から6時まで、なんと4時間という長時間にわたって、①初級編(職業奉仕の基本的な考え方)、②中級編(クラブで直面する事例の検討)、③上級編(将来的に職業奉仕をどう考えるか)の3つ課題について、熱心な議論が交わされました。当然ですが、この4時間の間、居眠りする人は1人もいませんでした。武蔵野中央さんからも、小林職業奉仕委員長始め、上山ガバナー、髙橋副幹事の3名にご出席頂き、貴重なご意見を頂きました。 これに気をよくした中川委員長は、職業奉仕月間では、『事例』をもとにメンバーで討議を行い職業奉仕に対する理解を深めようと、各クラブに提案しました。私にも、そのような卓話を行うようにと仰せ遣ってきましたので、本日は少しだけですがまずは事例について皆様のご意見を伺うことから始めたいと思います。

3.事例1・2について(資料配布:事例検討)
 様々な意見が出ましたが、先輩が言ったことが必ずしも正しいというものではない、模範解答はない、というのが地区の立場です。昨年の在京の研究会でも、新しい方から学ぶべき意見が出ました。しかし、ロータリー歴の長い先輩の意見には、やはりそのように考える尤もな理由があることも分かります。そのことを通じて、職業奉仕に対する理解が深まるのだと思います。


4.ロータリーの指導原則
 さて、ここでロータリーの指導原則と、職業奉仕の位置づけを確認しておきたいと思います。事例研究の初級編では、ロータリーの指導原則とロータリーのモットーであるService Above SelfとHe profits most who serves bestについても議論されました。本日お配りした資料には、始めに「ロータリーの目的」、次に「四つのテスト」、さらに標準ロータリークラブ定款第5条の「五大奉仕部門」の部分、2枚目にいきますと、「職業奉仕に関する声明」、「ロータリーの行動規範」が掲載されています。これも在京研究会で配布されたものです。 私などは、申し訳ないのですが,これらをあまり真剣に読んだことがない、というより、読んでもなぜか頭に入らない、頭にも残らない。記憶障害ではないか?と思うほど。しかし何よりも私は、入会以来、ロータリーの独自性はアーサー・フレデリック・シェルドンが提唱したHe profits most who serves bestにあると教えられ、魅力を感じてきた。それなのに、ロータリーの様々な指導原則を見ても、それらしきものが出てこない、見当たらないのはどうしてなのか。一体,He profits most who serves bestとこれら指導原則の関係はどうなっているのか、正直疑問でした。 このことについて、たまたま、本年度地区研修会を毎回担当されている江東ロータリークラブの鈴木隆雄さんが私に聞いてきました。「吉田さん、Service Above Self とHe profits most who serves bestはどこ言っちゃったか分かる?」。鈴木さんは、本年度地区国際奉仕委員であるとともに職業奉仕委員として一緒に活動させて頂いております。私はお答えしました。「全く分かりません。ずっと疑問でした。ロータリーの目的なんか、何度読んでも頭に残りません」。すると鈴木さんは言いました。 「ロータリーの目的を見ると、冒頭のところに、『意義ある事業の基礎』とあるでしょ。この原文は『a basis of worthy enterprise』なんだけど、これはシェルドンのHe profits most who serves bestを意味していると読むことができるよ。」また、「次のところに、『奉仕の理念』と出てくるでしょ。これはService Above Selfのことだと読めるのではないかな。」と。 まあ、そう言われてみれば読めなくもない。鈴木さんの読み方が正しいかどうかは分かりませんが、職業奉仕というと私たちは生い茂った木を思い浮かべます。その木の太い幹や、地面深く張った太い根には、なんの疑問もなく『職業奉仕』と書いてあります。 He profits most who serves bestとService Above Selfは、まさにロータリーの金看板であり指導理念であるというのが,わが第2580地区の研修会を毎回担当する鈴木さんの、そしてそれがまさに第2580地区としての理解だと、私は受け止めました。

5.昨今の状況について
最後に、この職業奉仕についての昨今の状況について触れておきます。
(1) 昨年の規程審議会での決議16-10について
 本日お配りしたロータリーの指導原則の1枚目右側、標準ロータリークラブ定款第5条の「五大奉仕部門」の部分の2項に私が手書きでアスタリスクをつけて、枠外の左下に書き込みをしています。これは、昨年の規程審議会で、定款の奉仕の第2部門を改正する件としてこのような追加を行うという提案がされ、賛成254,反対210で採択、決議16-10として改正となった部分です。提案したのは群馬の第2840地区。その提案の趣旨及び効果についてはこのように説明されています。
 “ロータリーの五大奉仕部門は「ロータリークラブの活動の哲学的及び実際的な規準である。第2項以外の他の奉仕部門は、クラブの活動の中で会員がとるべき行動が具体的に示されているが、第2項にはそれが示されていない。本制定案は、他の部門の定義との整合をとり、クラブの活動の実際的な規準であることを明確に示すため、会員の役割に、会員がとるべき行動を加えるものである。”
 職業奉仕の主体は果たして個人だけなのか、クラブもその主体となるのか。この決議16-10により、クラブが職業奉仕についての「プロジェクト」を開発して、それに会員が「応える」ことが,標準クラブ定款に明記されることになったのです。 この点について、わが第2580地区として、の決議を覆す提案をなすべきかどうか、様々に議論がなされているように伺っています。
(2)「職業奉仕はロータリーの根幹か?」という意見
 さて、この提案をした群馬の第2840地区、前橋ロータリークラブの本多博己(ほんだひろき)さんが2014年6月発行の「ロータリーの希望竏瀦dの理念とその実践をめぐってー」という冊子の中で、「『職業奉仕』はロータリーの根幹か?」という意見を述べています。曽我さんは、同地区の2005-06曽我がバナーのもとで事務局長をされ、2005年から推奨されているクラブ・リーダーシップ・プラン(CLP)にも携わってきた方です。
(以下,本田さんの意見)


 本田さんは、2012年バンコク国際大会の分科会で、日本のロータリアンはお馴染みの「職業奉仕の理念」を熱心に語り、一方、欧米のロータリアンは「職業奉仕の活動」事例を語り、両者は噛み合わないまま分科会は終わった、「同床異夢」という言葉が頭をよぎった。そして、その噛み合わない理由が、ロータリークラブ定款第5条2項の職業奉仕部門についての規定の仕方にあるその「誤解」が元となっている、という。
 本田さん自身は、かつて四大奉仕の中でも職業奉仕は具体的な奉仕活動を求める他の奉仕部門とは違い、奉仕の理念への職業の適用を謳った「ロータリーの目的」の第2項目に通ずる、他の奉仕部門の上位概念のようなもので、四大奉仕の一部門に収まっていること自体がおかしい、と思っていた。 しかし、日本以外のロータリーでは、当然のように、「職業奉仕」を他の奉仕と並ぶ一つの奉仕部門として位置づけている。例えば、2005年から推奨されているクラブ・リーダーシップ・プラン(CLP)でも、また2013年規程審議会でRIのプログラムとする決議(13-168)がなされたロータリー・リーダーシップ研究会(RLI)のテキストには、こんなものは職業奉仕ではないというロータリアンの声が聞こえてくるような職業奉仕活動についての記載が羅列されている。世界のロータリーでは、自分の職業上のスキルを生かした奉仕活動は、クラブが行うものであれ,立派な職業奉仕活動と位置づけて活発に実践されている。
 職業奉仕という言葉で、世界のロータリアンは「職業奉仕の活動」を語り、日本のロータリアンは「奉仕の理念」の職業への適用やロータリアンとしての職業観を語る。これが日本ロータリーの「ガラパゴス化」を招いている一因だ。この、世界と日本との違いを、「日本の理解のほうが正しい」とか、「職業奉仕は他の奉仕部門とは違う」として、クラブの職業奉仕の実践を否定する態度は間違っている。
 私の提案は、職業奉仕という言葉で「奉仕の理念」(の職業への適用)や自分の職業観を語ることをいったん止めてみたら。そして、クラブの活動の枠組みである「五大奉仕部門」の第2部門である「職業奉仕部門」の活動だけに「職業奉仕」という言葉を使ってみたら、というものです。
 職業奉仕(Vocational Service)という言葉がロータリーで使われるようになったのは1927年(ベルギーのオステンド大会)。まだ職業奉仕という言葉がなかった時代のシェルドンの「Serviceの哲学」を「職業奉仕」で語ったり、Vocational Serviceという言葉から天職論や職業倫理を語ったりする議論はもともと無理があるのではないか。「職業奉仕」ではなく「奉仕の理念」(The Idea of Service)という言葉で、ロータリーの理念についての議論を深めていこう,というのが私の真意です、と本田さんは述べています。
(以上、本田さんの意見)。

この本田さんの意見が、まず決議16-10によって一歩を踏み出したということになります。皆様はどのようにお感じになられるでしょうか。

6.おわりに
わが第2580地区は職業奉仕の理念を、他のどの地区よりも大切にしている自負を持っています。今後、私たちは職業奉仕をどのように考えていったらいいのか、地区としてどのような態度をとるべきなのか。それを考える一助とするために、来る4月7日飯田橋のホテルグランドパレスで午後2時から、2009-11RI理事、2011-12RI職業奉仕推進委員長を務めた黒田正宏さんを迎えて『RIの職業奉仕の現状と日本の職業奉仕』また『テーブルディスカッションにおけるリーダーの役割』との演題で、在京の第2回職業奉仕研究会を開催します。17:20終了で懇親会はありません。登録料3000円です。 是非多くの皆様にご参加下さいますようにとの宣伝をして、本日の私の卓話を終了させて頂きます。ご静聴また皆様のご協力を賜り大変にありがとうございました。




【配布資料】
倫理と職業奉仕 ロータリーの指導原則
●ロータリーの目的(The Object of Rotary)
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:
第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること。
第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること。
第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること。
第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。
「ロータリーの目的」の4つの項目は、等しく重要な意味を持ち、また同時に行動を起こさなければならないものであるということで、RI理事会の意見が一致した。

●四つのテスト(The Four-Way Test)
ロータリーの初期のころから、ロータリアンは彼らが生活の糧としている職業における高い倫理的水準に引き上げることに関心を持ってきました。世界で最も印刷され、引用される職業倫理の声明のひとつに四つのテストがあります。
それは1932年にロータリアンである、Herbert J Taylor(後のRI会長)が倒産の危機に直面していた会社を任されたときに、彼によって起草されたものです。
実業生活や専門職生活の中で雇用者が実践すべき、この24の単語からなる四つのテストは、販売や製造、広告業においても、またその他、販売者と顧客との全ての関係において指導書となりました。そして企業の生き残りはこの簡単な哲学に帰すると言うことになりました。
四つのテストは1943年ロータリーによって採用され、百以上の言語に翻訳され、色々な形で出版されています。それは次のような四つの質問を尋ねています。

言行はこれに照らしてから
1)真実かどうか
2)みんなに公平か
3)好意と友情を深めるか
4)みんなのためになるかどうか

●五大奉仕(The five Avenues of Service)
ロータリーの奉仕部門は全てのロータリークラブの活動の指針となる。

1)奉仕の第一部門であるクラブ奉仕は、クラブの機能を充実させるために、クラブ内で会員が取るべき行動に関わるものである。

2)奉仕の第二部門である職業奉仕は、事業および専門職務の道徳的水準を高め、品位ある業務はすべて尊重されるべきであるという認識を深め、あらゆる職業に携わる中で奉仕の理想を生かしていくという目的を持つものである。会員の役割には、ロータリーの理念に従って自分自身を律し、事業を行うこと*が含まれる。
 *そして自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てるためにクラブが開発したプロジェクトに応えること(決議16-10 賛成254・反対210)

3)奉仕の第三部門である社会奉仕は、クラブの所在地域または行政区域内に居住する人々の生活の質を高めるために、時には他と協力しながら、会員が行うさまざまな取り組みから成るものである。

4)奉仕の第四部門である国際奉仕は、書物などを読むことや通信を通じて、さらには、他国の人々を助けることを目的としたクラブのあらゆる活動やプロジェクトに協力することを通じて、他国の人々とその文化や慣習、功績、願い、問題に対する認識を培うことによって、国際理解、親善、平和を推進するために、会員が行う活動から成るものである。

5)奉仕の第五部門である青少年(新世代)奉仕は、指導力養成活動、社会奉仕プロジェクトおよび国際奉仕プロジェクトへの参加、世界平和と異文化の理解を深め育む交換プログラムを通じて、青少年ならびに若者によって、好ましい変化がもたらされることを認識するものである。
 
●職業奉仕に関する声明
Statement on Vocational Service(ロータリー章典8.030.1)
職業奉仕とは、あらゆる職業に携わる中で、奉仕理念の実践をロータリーで培い、支援する方法である。
ロータリーの目的の第2項は、職業奉仕の基本原則として、特に次の各項を奨励することにある:
・職業上の高い倫理基準を保ち、
・役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、
・社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること;
職業奉仕理念に本来込められているものは次のものである。
1.雇主、従業員、同僚への誠実、忠実さ、また、この人たちや同業者、一般の人々、職業上の知己すべてに対する公正な扱いも含まれる。
2.自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てること。

職業奉仕は、ロータリー・クラブとクラブ会員両方の責務である。クラブの役割は、頻繁に職業奉仕を実践することによって、クラブ自身の行動に職業奉仕を応用することによって、模範となる実例を示すことによって、また、クラブ会員が自己の職業上の手腕を発揮できるようなプロジェクトを開発することによって、目標を実践、奨励することである。クラブ会員の役割は、ロータリーの原則に沿って自らの行いと事業と職業を律すること、また、クラブが開発したプロジェクトに応えることである。(2014年1月理事会会合、決定88号)。
出典:1987年10~11月理事会会合、決定164号。2014年1月理事会会合、決定88号により修正。2001年6月理事会会合、決定352号により確認。

●ロータリーの行動規範(新)
Rotarian Code of Conduct(ロータリー章典8.030.2)
ロータリアンとして、私は以下のように行動する。
1)個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準をもって行動する。
2)取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する。
3)自分の職業スキルを生かして、若い人びとを導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、地域社会や世界の人びとの生活の質を高める。
4)ロータリーやほかのロータリアンの評判を落とすような行動は避ける。


職業奉仕 ケース2(中級)倫理
事例1:
 会員Aは、父の代からロータリー活動をしてきましたが、最近、競争関係になる同業者のBから、他の会合でメンバーの一人からロータリークラブに誘われたので、推薦者になってくれとの話がありました。周囲からの話では、奉仕活動への関心ではなく、ビジネスのための入会と思われました。個人的には推薦するつもりはないが、クラブのためには一人でも増強したいところです。あなたはどう対応すれば良いでしょうか。

事例2:
 同じクラブのある会員Cさんは、地元で良く知られた事業主です。この会員はこれまでクラブの奉仕活動で大きな貢献をしてくれましたが、最近、事業が難局に入ったために思い切った財務判断を行い、結果的に多くの顧客に損害が発生しました。地元の人は、この会員の事業主としての倫理性を問い、地域社会をより良くしようという意思が本当にあるのかと疑っています。また、この会員のマイナスイメージが、クラブの評判にも影響し始めました。こんな状況に対し、あなたならどうしますか。

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