国際ロータリー第2580地区 東京武蔵野中央ロータリークラブ 今週の卓話

「アルツハイマー病 -光と影-」(2018/5/10)

「アルツハイマー病 -光と影-」(2018/5/10)
石澤 敦会員
 ひたすら長寿を願い、様々な病気と闘いそれらを克服してきた結果、我が国の平均寿命は飛躍的な伸びをみせているが、寝たきりや介護状態にならないで生きることのできる、いわゆる〝健康寿命〟は、男女とも平均寿命の約10年短いと言われている。それは、我々が得た超高齢化社会の先に現れた、思いもかけない光景なのだろうか。

健康寿命を蝕む原因の中で、取り分け「認知症」は、個人の人格を破壊し、人間としての尊厳を大きく傷つけ、かつ、患者自身のみならず、家族、そして地域社会も巻き込むという点においてもっとも悲劇的な問題である。

さらに残念なことに、2025年には国民の5人に1人が認知症患者になるという予測の中において、数千億円以上の研究費が投入されてきたにもかかわらず、現時点においては有効な根本的治療の光が見えてこない。

アルツハイマー病は、症状としての認知障害が発現するおよそ20年も前から、脳萎縮に至る病態のスイッチが「ON」になっていることが分かっている。「認知症の症状」が発現した時期にはすでに脳内の病的変化は飽和状態に達し、ここから“病気そのものを治癒せしめる” という医学的介入は、最早、手遅れであることは多くの研究の結果明らかとなっている。

現在、未だ症状を発現していない、即ち「アルツハイマー病」とはいえない10年、20年前の「発病前」の時期に早期診断を行い、脳組織の不可逆的変化の起こる前に治療介入する研究が始まっている。しかし、残念ながら、高齢者に属する我々はこれら研究の恩恵を受けることは恐らくないであろう。

一方で、日常的ないくつかの取り組みによって認知症を予防できる可能性を、多くの臨床研究が明らかにしていることもまた事実である。もし、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病に罹患しているのであればこれらを的確にコントロールし、落ち込まず明るく過ごし、適度な運動を行い、可能であれば現在の仕事を継続し、知的に活動することが重要である。

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